教育テクノロジー業界のベンチャーで働くとは?

こんにちは!Growthキャリアナビ編集部の浅野です!
「教育を変えたい」「急成長する分野で挑戦したい」という思いを抱く学生にとって、教育テクノロジー業界のベンチャーは絶好の舞台です。日本のEdTech市場は2024年に約148億米ドル規模、2033年には約767億米ドルへと拡大し、年平均成長率20%超という驚異的な伸びが予測されています。学校教育のデジタル化、企業のリスキリング需要、AIやクラウドを活用した学習管理システムの普及などが成長を後押しし、未来の学びを形づくる最前線で挑戦できるのです。

参考文献:「日本エドテック市場レポートセクター」
https://www.imarcgroup.com/report/ja/japan-edtech-market

1. 教育テクノロジー業界とは?

教育テクノロジー(EdTech)業界は、従来の学校や塾といった教育機関だけでなく、オンライン学習プラットフォーム、AI教材、リスキリング支援サービス、教育データ解析など幅広い領域を含みます。近年はITやAIを活用した「アダプティブラーニング」(※1)「オンライン授業支援」「教育データ可視化」などが急速に普及し、技術革新が社会課題の解決に直結する分野となっています。
※1  学習者の理解度や進捗に合わせて学習内容やペースを自動で調整すること。

 代表的なサービス例:
  ・オンライン学習プラットフォーム(動画授業、双方向型授業)
  ・AIによる学習進捗分析・個別最適化教材
  ・企業向けリスキリング・人材育成支援サービス
  ・教育データ解析や学習管理システム(LMS)   等

 ★企業例★
  ・株式会社atama plus:AIを活用した個別最適化学習教材
  ・スタディプラス株式会社:学習管理アプリ「Studyplus」
  ・レアジョブ株式会社:オンライン英会話サービス  等

2. 教育テクノロジーベンチャーでの主な職種と仕事内容

営業(学校・法人向け)
 新規導入を増やし、売上をつくることが主な仕事内容
 ①新規顧客の獲得
  ・学校・教育委員会・塾・企業研修などへアプローチ
  ・展示会、セミナー、SNS、紹介などから見込み顧客を集める
 ②ヒアリング(課題の発掘)
  ・「学習データを活用したい」「ICT活用が進まない」など、教育現場の課題を深掘り
  ・現場の教員や管理職のニーズを理解する
 ③顧客への提案・デモ
  ・プロダクトの価値を教育現場に合わせて説明
  ・実際の授業や運用をイメージできるようにデモを実施
 ④導入条件の調整・契約
  ・料金プラン、導入スケジュール、サポート体制などを調整
  ・契約締結までのプロセスをリード
 ⑤社内連携
  ・プロダクトチームへ顧客の要望をフィードバック
  ・マーケティングと連携してリード獲得の仕組みを改善
 ★教育ベンチャー営業の特徴★
  ・営業が「プロダクト改善の起点」になることが多い
  ・顧客の声を拾い、機能開発に直結させる
  ・営業プロセス自体を自分で作ることもある

カスタマーサクセス
 サービスの導入~効果測定・改善提案までを行い、最大限の成果を出すために伴走支援する
 ①導入支援(オンボーディング)
  ・学校・教育委員会・企業研修部門などへの初期設定サポート
  ・教員・管理者向けの操作研修、ワークショップの実施
  ・運用フローの設計(誰が、いつ、どう使うか)
  ・導入初期の利用定着を促すコミュニケーション
 ②利用状況のモニタリングと改善提案
  ・学習データや利用ログを分析し、活用度を可視化
  ・利用が低いクラスや部署に対して改善策を提案
  ・教育効果(学習成果、業務効率化など)のレポート作成
  ・定期的なレビューMTGの実施
 ③顧客との関係構築(アカウントマネジメント)
  ・教育委員会や学校法人など大口顧客との長期的な関係構築
  ・契約更新の調整
  ・新機能の案内、アップセル・クロスセルの提案
  ・現場の課題を継続的にヒアリングし、活用の幅を広げる
 ④プロダクト改善へのフィードバック
  ・現場の声をプロダクトチームに共有
  ・新機能の検証(β版テストなど)
  ・教育現場での実際の課題をもとに改善提案
  ・ユーザー事例の収集
 ⑤コンテンツ・ナレッジの提供
  ・操作マニュアル、FAQ、動画チュートリアルの作成
  ・教員向けの活用ガイドや授業案の提供
  ・企業向けの研修プログラム設計支援
  ・コミュニティ運営(ユーザー会、勉強会など)  等
 ★教育ベンチャーのカスタマーサクセスならではの特徴★
  ・教育現場の理解が必須(学校の文化・年度サイクル・ICTリテラシー差)
  ・プロダクトの価値を成果につなげる力が求められる
  ・営業とプロダクトの橋渡し役として事業づくりに深く関わる
  ・成果が見えやすい(学習改善・教員負荷軽減など)

マーケティング
 どの顧客(学校、企業、教育機関など)にどんな教育イベントや広告でアプローチするのが効果的かを考え、企画・実行することが主な仕事内容
 ①市場調査・ユーザー理解
  ・学校・教育委員会・企業研修市場の動向調査
  ・教育現場の課題(ICT活用、教員の負荷、学習データ活用など)の把握
  ・競合サービスの分析
  ・ペルソナ設計(教員、ICT担当、研修責任者など)
 ②リード獲得(新規顧客の興味喚起)
  ・ウェビナー・セミナーの企画運営
  ・教育イベント・展示会への出展
  ・ホワイトペーパー、導入事例、教育ノウハウ資料の制作
  ・Web広告、SNS、SEO、メールマーケティングなどのデジタル施策
 ③データ分析と改善
  ・広告効果、CVR、LTVなどの分析
  ・ユーザー行動データの解析
  ・仮説検証を高速で回す
 ④新規施策の企画・実行
  ・新しいチャネルの開拓(TikTok、YouTube、コミュニティなど)
  ・教育イベントへの出展
  ・パートナー企業とのアライアンス施策  等

プロダクト開発(エンジニア/デザイナー/PM)
 現場のサービス利用状況を分析しながら、プロダクトの開発・改善を行う
 ①プロダクト企画・要件定義
  ・教育現場の課題ヒアリング(学校、先生、学習者、保護者、企業など)
  ・市場調査・競合分析
  ・プロダクトビジョン・ロードマップの作成
 ②ユーザーリサーチ
  ・教員、学習者、保護者、管理者など多層的なユーザーのニーズ収集
  ・学習効果やUXの課題分析
  ・ユーザーテストの企画・実施
 ③機能企画・要件定義
  ・学習ログやアダプティブラーニングを踏まえた仕様策定
  ・技術チームと連携した実現可能性の検討
 ④開発プロジェクトの推進
  ・エンジニア、デザイナー、教育専門家との連携
  ・計画、タスク管理、リリース管理
  ・アジャイル開発の推進
 ⑤データ分析・プロダクト改善
  ・学習ログ、継続率、成果指標などのデータ分析
  ・改善施策の立案と実行
  ・収益モデルの最適化(B2B、B2C、学校向け導入など)

 

3. 教育テクノロジーベンチャーで働く魅力と厳しさ

教育テクノロジーベンチャーで働く魅力は…

① 社会的意義が大きい:教育の質向上や学習機会の拡大に直結する。
② 成長市場:オンライン教育やリスキリング需要が世界的に拡大。
③ 幅広いスキル習得:教育知識、IT技術、政策理解、データ解析などを同時に学べる。

一方で、以下のような厳しさもあります。

  • 教育政策や制度変更の影響を受けやすく、柔軟な対応が必要。
  • 成果が学習者の未来に直結するため、責任感が強く問われる。
  • 教育現場のニーズを理解するために時間がかかる。

4. 就活のポイント

自己分析
「教育を変えたい」「学びの機会を広げたい」という強い意志がある人に適性あり。

企業研究

  • サービス内容(オンライン学習、AI教材、リスキリング支援など)
  • ターゲット顧客(学校、企業、学習者)
  • 資金調達状況(成長ステージを把握できる)
  • 教育政策や認証取得の有無

スキル準備

  • 教育・学習の基礎知識
  • データ解析やITスキル
  • コミュニケーション力(学校や企業との信頼構築に不可欠)

面接対策
「教育の社会的意義に共感している」「困難な課題に挑戦した経験」を具体的に語れるよう準備。

5. まとめ

教育テクノロジーベンチャーは導入して終わりではなく、教育現場との密なコミュニケーションを通して早期に課題を発見しプロダクトの改善を行い、信頼関係を築いていくことが重要です。教育の質の向上・学習の効率化に貢献できるかつ現場のリアルな課題発見から改善提案まで一貫して経験することができるこの業界は「教育課題の解決に貢献したい」、「若いうちからコミュニケーション力・提案力を身に付けたい」という学生におすすめです!

浅野こころ
Growthキャリアナビ編集担当。
大学卒業後、ブティックス株式会社に入社。
マッチング・ファーストという企業理念に共感してブティックス株式会社への入社を決意。
読者の皆さんのキャリア選択に役立つ記事を日々発信していきます!

この記事の監修者

鶴野敬文
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー
2001年株式会社リクルート入社。若年層向けキャリアカウンセリング、各種就業支援セミナー・マッチングイベントの企画・運営を手掛ける。3年間で延べ3,500名を超える若者の就職支援に従事。2010年人事コンサルタントとして独立。企業の経営者、人事担当者を相手に採用戦略の立案から実施までを幅広くサポート。2012年4月、株式会社リアライブ共同創業。2025年、企業合併に伴いブティックス株式会社所属。